「東京に行く意味を、あまり感じなくなりました」。そう語るのは、情報システム科の3年生だ。かつて優秀な生徒ほど大都市圏の大企業へ流出していた傾向に、明らかなブレーキがかかっている。地元・熊本にとどまりながら、世界最先端のプロジェクトに関われるチャンスが目の前にあるからだ。
しかし、選択肢が増えたことは、同時に新たな葛藤も生んでいる。外資系企業の参入により、社内公用語が英語になる職場も少なくない。「技術だけでなく、英語も話せなければ生き残れない」という現実が、10代の背中に重くのしかかる。地元に残る安心感と、グローバル競争に巻き込まれる緊張感。生徒たちの心は揺れている。