もはや、画面の向こうに立つのは生身の人間だけではない。2026年の夏、主要キー局の音楽特番では、VTuberやAIアバターアーティストがゴールデンタイムの生放送に当たり前のように登場している。それも、事前収録された映像を流すのではない。実在するダンサーやバンドと、リアルタイムでシンクロしながらパフォーマンスを行うのだ。
物理的な制約を超えた演出は、視聴者の視覚を圧倒する。ステージから炎が上がる代わりに、デジタルエフェクトの光の雨が降り注ぎ、アバターが瞬時に衣装を変える。現実のアーティストとのコラボレーションは、かつての「オタク向けサブカルチャー」という枠組みを完全に破壊し、ポップカルチャーの主流へと躍り出た。