道路陥没事故が発生する根本的な構造原因の多くは、地中に埋設された下水道管の老朽化と破損にあります。国土交通省の統計資料によると、国内で発生する道路陥没事故の約半数以上が下水道に起因するものです。
高度経済成長期(1960〜1970年代)に集中的に整備された下水道管は、現在その多くが法定耐用年数(50年)を超過。下水から発生する硫化水素ガスによってコンクリート管の上部が腐食し、ひび割れや破損が生じます。そこから周囲の土砂が管内へと徐々に吸い込まれ、道路の舗装直下に巨大な「見えない空洞」が形成されるメカニズムです。
さらに、近年多発するゲリラ豪雨や大型台風による地下水流の激変が、土砂の流出スピードを加速させています。地表面からはアスファルトに異常が見当たらないため、従来の目視点検だけでは空洞の存在を察知することが極めて困難である点が、この問題の根深い盲点となっています。