日本航空高校ならではのユニークなアプローチが、バッティングの科学的分析だ。彼らが着目したのは、系列の航空科で学ぶ「流体力学」や「空気抵抗」の理論だった。バットが空気を切り裂く音、スイング時の風圧、そして打球のバックスピン量。これらをすべて数値化し、選手一人ひとりの骨格に合わせた最適なスイング軌道を導き出している。
「感覚に頼る指導はもう古い」。そう言い切る指導陣の言葉通り、選手たちは打撃ケージの横に設置されたモニターを食い入るように見つめる。打球の角度が1度変わるだけで、フェンス直撃のダブルがホームランに変わる。その事実を数字で理解した球児たちの打球は、明らかにこれまでとは違う放物線を描いてスタンドへ吸い込まれていく。