阿智神社の象徴として名高いのが、境内北側に自生する岡山県指定天然記念物「阿知の藤(あちのふじ)」です。品種は「アケボノフジ」で、同種としては日本最古・最大級の巨樹とされ、推定樹齢は300年から500年を数えます。毎年4月下旬から5月上旬にかけて薄紅色の花房が藤棚いっぱいに広がり、境内は甘く上品な芳香に包まれます。
この藤の生命力と優美さからインスピレーションを受けて誕生したのが、近年大きな反響を呼んでいる「花纏守(はなまもり)」です。一般的な織物のお守りとは一線を画し、藤の花房をモチーフにした繊細なレースブレスレット型のお守りで、手首に巻くだけでなくバッグのチャームや髪留めとしても身につけられるデザイン性が支持されています。
神職関係者の説明によると、花纏守は「日々の生活の中で神前との縁を身近に結び続けること」を意図して奉製されたとのこと。季節ごとに限定カラーが登場することもあり、その丁寧な意匠と確かな祈願が、参拝者の心を引き寄せています。