浴室の換気扇を回している最中、ふと見上げると黒い粉のようなゴミが床に落ちていた経験はないでしょうか。換気扇から黒いゴミが落ちてくる理由は、吸い込まれた繊維ホコリや皮脂の微粒子が換気扇内部のファンやドラムに付着し、湿気を吸って「クラドスポリウム(黒カビ)」の巨大なコロニーへと変貌した結果です。ファンの高速回転による振動や湿度の変化によって、乾燥したカビの塊が千切れて天井から降下してきます。
この状態に陥った換気扇を作動させ続けることは、目に見えない無数のカビ胞子をシャワーのように浴室全体へ絶え間なく噴霧している状態と同義です。これが「いくら壁や床を漂白剤で洗っても数日でカビが再発する」という怪現象の根本原因となっています。換気扇掃除を放置するリスクと悪影響は、衛生面だけに留まりません。
ファンの羽根(ブレード)の隙間にビッシリとヘドロ状のホコリが詰まると、設計上の風量を吸い込めなくなり、換気効率が最大で50%以上低下します。排気が滞ることで浴室内の乾燥時間が延び、結果として家屋全体の湿度上昇やシロアリを誘引する湿潤環境を作り出してしまうリスクすら孕んでいます。さらにモーターに過度な負荷がかかり続けることで「キーキー」「ブーン」といった異音の発生や、最悪の場合はモーターの異常発熱による発煙・故障事故につながる危険性も報告されています。