和歌山の選挙区事情は、ここ数年で完全に様変わりした。小選挙区の「10増10減」に伴う区割り改定によって、かつて安定していた勢力図は一夜にして激変。とりわけ和歌山県第2区は、全国の政治記者が固唾を呑んで見守る最前線へと変貌を遂げた。
保守王国と呼ばれるこの地で起きたのは、単なる議席争いではない。地域に深く根を下ろしてきた名門の矜持と、新時代を切り拓こうとする勢力の真っ向勝負だ。衆議院議員総選挙の歴史を振り返っても、これほどまでに人間関係と怨嗟が複雑に絡み合った戦場は珍しい。有権者は静かに、しかし冷徹に各陣営の一挙手一投足を見据えている。