ものづくりの総合力が問われるのはカスタムカーだけではない。学生たちが自ら小型フォーミュラマシンを構想・設計・製作し、その性能を競う「全日本学生公式フォーミュラ大会」への挑戦もまた、NATSの真骨頂と言える。単に速さを追求するだけでなく、車両のコスト評価や製造プロセス、プレゼンテーション審査まで厳しい基準で採点される過酷なコンペティションだ。
同校の理事長であり創設精神を支える矢部明氏が掲げてきたのは、「真の技術者は現場で鍛えられる」という揺るぎない理念だ。机上の理論だけで終わらせず、自ら作ったマシンをコースに持ち込み、コンマ一秒を争うテスト走行を繰り返す。ドライバーのフィーリングをデータと照らし合わせ、即座にセッティングを変更する柔軟性。その実戦経験こそが、モータースポーツ業界や大手メーカーの開発部門へ直結する強固な架け橋となっている。