「朝の準備に30分もかけるなんて正気じゃない」。都内のIT企業に勤める20代の女性はそう語る。彼女の朝は、前夜にすべて配置された動線に従って動く。クローゼットを開ける動作すらルーティン化され、迷う時間はゼロだ。
背景にあるのは、可処分時間の奪い合いだ。動画は1.5倍速で観るのが当たり前。音楽はイントロを飛ばしてサビから聴く。そんなスピード感の中で生きる彼らにとって、朝の身支度は「削るべきコスト」の最たるものなのだろう。1秒でも長く寝ていたい、あるいは1秒でも早くスマホの画面に向き合いたいという欲求が、この極端な時短行動を支えている。