「他魚種ではなく、金魚同士の複数飼育なら安心」と考えるのも早計です。金魚という単一の種(キンギョ / Carassius auratus)の中には、フナに近い流線型の体型から、品種改良によって球体に近い体型へと変貌を遂げたものまで多種多様な系統が存在します。異なる体型グループの混泳は、激しい体力格差を生み出します。
金魚の体型と遊泳力は、大きく以下の3つのグループに分類されます。
- 長物(和金型):和金、コメット、朱文金など。フナの原種に近く、泳ぎが極めて高速で俊敏。
- 丸物(琉金・オランダ型):琉金、出目金、オランダ獅子頭、東錦など。丸みを帯びた体型と伸長したヒレを持ち、優雅だが遊泳スピードは遅い。
- 卵形(らんちゅう型):らんちゅう、江戸錦、ピンポンパール、頂天眼など。背ビレがなく、泳ぎが極めて不器用で水流にも弱い。
最も危険な組み合わせが「長物×らんちゅう型・琉金型」です。給餌の際、俊敏な和金が水面に浮いた餌を数秒で食べ尽くしてしまい、動きの鈍いらんちゅうや出目金は十分な栄養を摂取できず「餌負け」を起こします。さらに、縄張り意識や発情期において、スピードのある和金が丸型金魚のヒレを突ついたり執拗に追い回したりすることで、被追尾側の金魚は過度なストレスから免疫力を低下させ、カラムナリス病(尾腐れ病)などを発症して衰弱死します。
金魚同士を混泳させる際は、必ず「同系統の体型グループ」で揃え、個体間の体格差を2cm以内に抑えることが長期飼育の鉄則です。