1979年、決定的なブレイクスルーが訪れる。シングル『さよなら』のメガヒットだ。「もう 終わりだね」というあまりに有名なフレーズとともに放たれた哀愁漂う旋律は、瞬く間に日本中を席巻した。続く『言葉にできない』では、オフコースの音楽的完成度はひとつの頂点に達する。ピアノ一本とストリングス、そして言葉の隙間に溢れる情感だけで人間の深層心理を描き切る表現力は、当時の音楽産業に凄まじい衝撃を与えた。
フォークでもなく歌謡曲でもない、洗練された都市生活者の憂愁を描く「ニューミュージック」。その潮流のど真ん中に立ちながら、彼らの視線は常にさらに先、後のJ-POPへと繋がる普遍的なポップスの構造へと向けられていた。武道館連続公演や数々の記録を打ち立て、オフコースはひとつの時代そのものとなった。