イルベが単なるネット掲示板の枠を超え、韓国社会全体から蛇蝎の如く忌み嫌われるようになった決定的な契機が、2014年に発生したセウォル号沈没事故での暴挙でした。遺族や市民団体が真相究明を求めて光化門広場で命がけの断食抗議を行っていた現場にイルベ利用者が押しかけ、遺族の目の前でピザやチキンを貪り食う「暴食闘争」という名の大規模な嫌がらせを強行したのです。この非人道的なパフォーマンスは国内外に激震を与え、社会に決定的なトラウマと怒りを植え付けました。
また、日常的に飛び交うイルベ特有の用語やスラングも激しい拒絶反応を引き起こしています。自殺した盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を侮辱・嘲笑する言葉(「ノアラ」「ウンジ」など)や、進歩派の地盤である全羅道(チョルラド)出身者を魚のエイに例えて蔑称する「ホンオ」、極端な女性嫌悪表現などがコード化され、内輪の共通言語として流通してきました。他者を徹底的に傷つけることでしか自己承認を得られない「イルベ民の特徴」は、韓国社会の深刻な病理として認知されています。