リップピアスを成功させる第一歩は、口唇特有の生体構造を理解し、適切なファーストピアスを準備することから始まります。口唇は会話や食事で常に激しく動く部位であり、施術後数日間は普段の約1.5倍から2倍近くまで組織が肥厚します。この初期反応を想定せずに短いピアスを装着すると、キャッチやディスクが皮膚内部に埋没し、皮膚切開による摘出手術が必要になる危険性があります。
ファーストピアス選びにおいて妥協してはならない基準は、「形状」「素材」「ゲージ(太さ)」「シャフトの長さ」の4点です。
まず形状は、口腔内側の留め具が平らになっている「ラブレットスタッド(フラットバック)」一択です。リング型(キャプティブビーズリングやサーキュラーバーベル)は初期段階で動いてホールに強い負荷をかけ、肉芽形成や斜行の原因となるため絶対に使用してはなりません。素材は、金属アレルギー反応を起こしにくい「ASTM F-136医療用チタン」または「サージカルステンレス(316L/SUS316LVM)」が適しています。
また、シャフトの長さは一般的な完成時サイズ(6〜8mm)ではなく、腫れを逃すための10mm〜12mmのロングシャフトを必ず確保してください。太さに関しては、細すぎる18G〜16Gよりも、安定性が高く皮膚が裂ける「排除作用」が起きにくい14G(外径約1.6mm)が推奨されます。