現在の拠点はカリフォルニア州ロサンゼルス。日差しが降り注ぐ西海岸で、彼女が日々向き合っているのは華やかなパーティーではなく、夜な夜な繰り広げられるスタンドアップコメディの過酷な現場だ。
名門クラブ『ザ・コメディ・ストア』や『ラフ・ファクトリー』をはじめ、無名の若手がしのぎを削るオープンマイクのステージに、日本のお笑いタレントとしてトップを極めた彼女が自らエントリーしている。持ち時間はわずか数分。観客は酒を片手に、少しでも退屈なら露骨にヤジを飛ばし、スマホに目を落とす。
英語の壁はもちろん、日米における笑いの文脈の違いは想像以上に深い。日本の「間」や「空気感」に頼ったボケは一切通じない環境で、彼女は持ち前の豊かな表情と切れ味鋭いフィジカルコメディを武器に、現地の観客を唸らせ始めている。失敗を恐れずステージに立ち続けるその泥臭い姿勢こそが、現地コミュニティの仲間やプロデューサーたちから一目置かれる最大の要因だ。