昭和のテレビ番組における派手なアクションや全身を激しく動かすパフォーマンスから、一部では「ビジュアルや動きが先行していたのではないか」という浅薄な見方をされることがありました。しかし、当時のレコーディングエンジニアやバックバンドのミュージシャンが口を揃えて証言するのは、「音程の正確さと圧倒的なピッチの安定感」です。
激しくジャンプし、ステージを縦横無尽に走り回りながらも、呼吸が乱れることなく正確な音程を維持し続ける肺活量とインナーマッスルの強靱さは、アスリート並みの肉体鍛錬によって支えられていました。また、スローバラードにおける繊細なウィスパーボイスから力強いクレッシェンドへの移行に見られるダイナミクスレンジの広さは、感情の爆発だけに頼らない高度な音楽的コントロールがあってこその技法です。
さらに、カバージャンルの幅広さも特筆すべき点です。クイーンの「We Will Rock You」やバリー・マニロウの楽曲、さらには洋楽ソウルナンバーまでを自身のスタイルに見事に翻案して歌いこなした事実が、彼の並外れた音楽的柔軟性を証明しています。