日本列島の防空を担う航空自衛隊は、年間数百回に及ぶ緊急発進(スクランブル)を実施している。その対象の多くは中国やロシアの軍用機だが、パイロットたちが遭遇するターゲットの中には、無線応答はおろか国籍標識すら持たない物体が混じっている。
レーダーには映るが光学照準器で捉えられない、あるいは肉眼では眩い発光が確認できるのにF-15やF-35のアビオニクスがロックオンを拒否する――。こうした事象は、現場に深刻な混乱をもたらす。現代の航空戦において、センサーフュージョンを攪乱する存在は致命的なリスクだ。
これを受け、国内外の航空宇宙・防衛産業では、光学迷彩やプラズマシールド技術、未知の電磁波放射を検知するための次世代センサー開発が急速に活発化している。正体不明の脅威を識別できない防空網は、もはや防空網として機能しないからだ。