「米不足はなぜ2026年に起きたのか」という疑問に対し、農学および流通の専門家が指摘する最大の根本要因は、前年である2026年夏の記録的猛暑です。稲の登熟期に夜間の気温が下がらなかったことで、白未熟粒(シラタ)と呼ばれる白く濁った米が多発する高温障害による米の品質低下が全国規模で発生しました。
この結果、玄米から精米にする段階で歩留まり(製品として出荷できる割合)が大幅に悪化し、農林水産省の統計上の収穫量以上に、実際の食用精米の流通可能量が実質的に減少していました。
さらに拍車をかけたのが、急速に回復したインバウンドによる米需要の増加です。訪日外国人観光客が急増したことで、外食産業やホテル業界での米消費が跳ね上がり、大手外食チェーンや中食業者が業務用米の年間契約を前倒しで確保したため、一般家庭向けの市中在庫が著しく圧迫されました。