『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の最大のクライマックスであり、観客の涙を誘ったのが、ルカたち「エスパル」が自らの運命を選択する場面です。結論から言えば、ルカはその後の人生で確実に大人へと成長していきます。
作中のエスパルたちは、かつてカグヤ星の科学者によって生み出された人工生命体であり、強力な超能力「エーテル」と不老不死の肉体を持っていました。そのため、1000年以上の時を経てもなお、ルカは少年の姿のまま留まり続けていたのです。
しかし、強大すぎる力は争いの火種にしかなりません。悪の元凶であった破壊兵器ディアボロを倒した後、ルカたちはドラえもんのひみつ道具「異説クラブメンバーズバッジ」の力を使い、エーテルを地球の月に眠るエネルギーへと変換。「超能力を捨て、歳を取り、やがて寿命を迎える普通の人間」になることを選びました。
本編のエンドロールや劇中において、髭を生やしたような明確な大人の姿がビジュアルとして描かれたわけではありません。しかし、彼らは「成長する未来」を手に入れました。少年期を終え、青年になり、大人になって人生を全うする――それこそが、ルカが望んだ真の自由でした。