地表に異常が見られなかったにもかかわらず、なぜこれほど大規模な崩壊が突如として起きたのでしょうか。専門家や自治体の現地調査によって、八潮市陥没事故の原因の輪郭が次第に明らかになってきました。
最大の要因として指摘されているのが、道路陥没における地下埋設管の影響です。現場の地下数メートルには数十年前の高度経済成長期から敷設されている下水本管や雨水管が通っており、管の接合部の劣化や腐食によって生じた隙間から、長期間にわたり土砂が管内へと徐々に吸い出されていた可能性が極めて高いと分析されています。
土砂が流出した結果、アスファルト直下に目視では確認できない巨大な「空洞」が形成されます。舗装の厚みだけでかろうじて天井が支えられていたところへ、重量のある車両の輪重が加わったことで耐えきれなくなり、一気に崩落に至るという構造的メカニズムです。近年の集中豪雨による地下水位の激しい変動も、土砂流出を加速させた一因と見られています。