新嘗祭の正式な読み方は「にいなめさい」ですが、古くは「にいなめのまつり」、あるいは音読みで「しんじょうさい」とも呼ばれます。「新」は新穀(その年に収穫された米や粟)を指し、「嘗」は味わって食べることを意味します。
この儀式の本質は、「神人共食(しんじんきょうしょく)」という古代から続く日本人の信仰観にあります。天皇陛下が天神地祇(てんじんちぎ=すべての神々)に対してその年の農作物の収穫を感謝し、神前に供えた新米や新酒を自らも召し上がることで、神々の霊力を身体に宿し、国家の安寧と国民の繁栄を祈願します。
『古事記』や『日本書紀』の神話時代に端を発し、飛鳥時代の皇極天皇の御代(642年)にはすでに国家儀礼として定着していた記録が残るなど、千数百年にわたり途絶えることなく継承されてきた日本の原点ともいえる宮中祭祀です。