「相手に最大限の敬意を払いたい」という焦りから、ひとつの単語に同じ種類の敬語を重ねてしまう二重敬語もよくある失敗例です。過剰な敬語は慇懃無礼(いんぎんぶれい)に聞こえ、かえって文章が読みづらくなったり、知識不足を露呈させたりします。
代表的な二重敬語のNG例文と、すっきりとした正しい表現を比較してみましょう。
NG例1:「社長がおっしゃられました」
「言う」の尊敬語である「おっしゃる」に、さらに尊敬の助動詞「られる」を重ねています。
👉 正:「社長がおっしゃいました」
NG例2:「資料を拝見させていただきます」
「見る」の謙譲語「拝見する」に、謙譲の「〜させていただく」を重ねています。
👉 正:「資料を拝見いたします」 または 「拝見しました」
NG例3:「お伺いさせていただきます」
「行く・聞く」の謙譲語「伺う」に、さらに「〜させていただく」を重ねています。
👉 正:「お伺いいたします」 または 「伺います」
NG例4:「〇〇様がお越しになられました」
「来る」の尊敬語「お越しになる」に「られる」が付いています。
👉 正:「〇〇様がお越しになりました」
敬語は盛れば盛るほど丁寧になるわけではありません。基本の尊敬語・謙譲語・丁寧語の骨組みを崩さず、シンプルかつ端正に伝えることが信頼につながります。