舞台で培われた確かな実力は、やがて映画界でも異彩を放ち始める。特に日本映画界において彼女の名を決定づけたのが、鬼才・深田晃司監督との出会いだった。
2016年にカンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞した『淵に立つ』では、平和な日常がじわじわと崩壊していく凄惨さを静かな演技で表現し、世界中の批評家を唸らせた。さらに映画『よこがお』でも深田晃司監督からの全幅の信頼に応え、絶望と狂気の狭間で揺れる主人公を鬼気迫るリアリティで演じきった。人間の業や孤独に迫るヒューマンドラマにおいて、筒井真理子は代わりのきかない絶対的な存在へと昇華したのだ。