広島には、原爆被爆者の支援に人生を捧げた山本正子がいた。自身も被爆二世である彼女は、1960年代から被爆者健康手帳の取得支援や、被爆体験の記録保存活動に従事した。
彼女が設立に関わった「ひろしま記憶の会」は、高齢化する被爆者から直接証言を集め、音声や映像として残す活動を40年以上続けてきた。収集された証言は500件を超え、現在も平和教育の貴重な資料として活用されている。
記憶の継承という使命
山本正子はインタビューでこう語っていた。「あの日の記憶は、生き残った者の責任として語り継がなければならない。でも、ただ恐怖を伝えるだけでは十分ではない。平和への具体的な道筋を示すことが大切なのです」
彼女の活動は国内だけでなく、国際的にも評価された。1985年にはニューヨークの国連本部で開催された核軍縮会議に招かれ、被爆体験を英語でスピーチした。その映像は今もアーカイブとして保存されている。