ネット上の言説と、実際にスタジアムへ足を運ぶ熱心なファン心理との間には、明確なグラデーションが存在します。抑え転向が報じられた当初、ファンの間には大きな不安が渦巻いていました。
「則本はイニングまたぎや連投に耐えられるのか」「ピンチで力んで自滅する劇場型になるのではないか」という疑念の声がSNSを中心に散見されたのは事実です。先発時代の則本は、立ち上がりの失点や中盤の一発に泣く試合も少なくなかったため、1点の失点も許されない最終回への配置に慎重論が出るのは自然な流れでした。
しかし、いざシーズンが開幕すると、その懸念は見事なまでに払拭されました。現場で取材する記者が口を揃えるのは、則本が持つ「ブルペンでの圧倒的な準備力」です。
「先発時代のように長いイニングの配分を考える必要がなくなり、1イニングに全エネルギーを注ぎ込めるようになったことで、ストレートの回転数とフォークの落差が劇的に向上した。何より、登場曲が流れてマウンドへ向かう際、スタンド全体が掲げるタオルの海と歓声は、チームの誰よりも大きかった」(スポーツ紙担当記者)
緊迫した局面でマウンドに上がり、最後の打者を渾身のストレートで空振り三振に仕留めて咆哮する姿。その気迫に触れたファンは、過去の偏見や懸念を忘れ、再び「魂のエース」に声援を送り続けています。