日本の東西を結ぶ大動脈の中で、長年にわたり第2・第3の都市圏を担ってきたのが大阪市と名古屋市です。この2都市の都市規模を比較する際、居住人口の多寡だけでは見落とされる「都市圏の性格の違い」が明白になります。
近畿圏の中心である大阪市は、市域面積が約225平方キロメートルと政令指定都市の中でも極めてコンパクトです。その狭い面積に約278万人が居住し、昼間には周辺の堺市、東大阪市、兵庫県尼崎市や西宮市、京都府南部などから膨大な通勤・通学者が流入します。結果として昼夜間人口比率は約130%に達し、昼間人口は約360万人規模まで膨れ上がります。金融、総合商社、外資系企業、商業施設が集積する「超高密度な西日本の中枢司令塔」としての機能が際立っています。
一方、中京圏の中核である名古屋市は、トヨタ自動車をはじめとする世界的サプライチェーンが広がる愛知県・東海エリアのゲートウェイです。名古屋市単体の市内総生産は約13.8兆円ですが、愛知県全体の名目県内総生産は約40兆円を超え、製造品出荷額等では40年以上連続で全国1位を維持しています。すなわち、大阪市が「市域内に高密度の三次産業を集積させる都市」であるのに対し、名古屋市は「広大な後背地に広がる強力な二次産業ネットワークを統括するハブ都市」という決定的な機能差が存在します。