本作が放送当時から高い評価を獲得し、今なお配信市場でロングヒットを続ける最大の要因は、キャスト陣の研ぎ澄まされた演技力とビジュアルの完成度にあります。
過酷な運命に翻弄されながらも凛とした強さで立ち向かう花岡七桜を演じた浜辺美波さんと、老舗の重圧と母親の狂気の間で苦悩する高月椿を演じた横浜流星さん。和装の美しさはもちろんのこと、憎しみ合いながらも惹かれ合ってしまう2人の「危うい色気」と「心理戦」は、視聴者を画面に釘付けにしました。制作発表記者会見や当時の特番インタビューにおいて、横浜流星さんが「椿という男が抱える孤独の深さをどう表現するか、現場で美波さんと常に緊張感を保ちながら向き合った」と語っていた通り、2人の間に流れる張り詰めた空気感は作品の屋台骨となっていました。
そして本作のスパイスとして語り草となっているのが、観月ありささん演じる女将・今日子の圧倒的怪演です。着物姿で童謡を口ずさみながら七桜を精神的に追い詰める姿は、昭和・平成の昼ドラを彷彿とさせるドロドロの愛憎劇でありながら、令和のスタイリッシュな映像美と見事に融合。さらに、主題歌である東京事変の「赤の同盟」が流れるオープニングと劇中の緊迫感は、視聴者の没入感を極限まで引き上げました。