壮絶な人生を歩んできた淡路恵子だが、晩年には意外な一面で新たな世代のファンを魅了した。それが、人気ゲームシリーズ『ドラゴンクエスト』に対する並々ならぬ情熱である。バラエティ番組やNHKのインタビューなどで、最新作を徹夜でプレイするエピソードを毒舌交じりに語る姿は、多くの視聴者を笑顔にさせた。
「ゲームをやっている時だけは、辛い現実を忘れられる」――その発言の裏には、息子たちの惨劇や多額の借金といった過去の苦悩を乗り越えようとする、彼女なりの昇華の方法があったのだろう。
食道がんとの闘病生活が始まった後も、彼女は弱音を吐くことなく言葉の刀を研ぎ続けた。2014年1月、80歳でこの世を去るまで、彼女は最期まで誇り高き大女優であり続けた。