ストーリーの力強い推進力となったのが、主人公を取り巻く男性陣の対照的なキャラクター配置だ。赤楚衛二が演じた春野優は、貧困に喘ぎながらも素直でまっすぐな心を持つ専門学校生。一方、町田啓太が演じた宮村空は、衛を忠実な部下として支え続ける専務取締役である。
この対極にある二人の存在が、物語に絶妙な緊張感を与えた。赤楚が見せたピュアで無邪気なまなざしは、過酷なビジネス界で疲弊する衛の心を癒やす救いとして機能する。対する町田の洗練された佇まいと、その内側に秘めた複雑な感情のニュアンスは、画面に深みをもたらした。二人が織りなす対比構造は、単なる恋愛模様にとどまらず、育ちや価値観の違いがもたらす人間関係の機微を鮮烈に浮き彫りにした。