身体の傷と並行して、精神的なダメージも長年にわたって冨田さんを苦しめている。フラッシュバックと呼ばれる症状があり、PTSDを発症。近くに男性がいると怖いため、付き添いの人がいないと公共交通機関が利用できないという。
特に「人がバッグやポケットに手を入れる」などのごくありふれた動作が強烈な恐怖を引き起こし、「刃物を出すのではないかという想像にかられてパニックになる」状態が続いている。テレビで似た事件を見た時や、通りすがりの人の行動など些細なきっかけでフラッシュバックが発生することもある。
日常のあらゆる動作が「脅威」に見えてしまう。それがPTSDの残酷さだ。公判では、PTSDを診断した女性精神科医が証言に立ち、冨田真由さんが「近所のコンビニに行くのすら怖くてダッシュで向かう」という状態にあることを明かした。
単独での外出はほとんどできず、外に出る際には母親や友人の付き添いが必要。通院や生活必需品の買い物ですら一苦労で、社会参加は著しく制限されている。自宅にこもりがちな生活。それでも冨田さんは、諦めていない。