懸命のリハビリと療養を経て、2002年末に徳永英明は奇跡的な復帰を果たします。そして2005年、彼の代名詞となるカバーアルバムシリーズ『VOCALIST』が誕生しました。女性アーティストの楽曲を唯一無二のハスキーボイスで歌い上げたこの企画は、爆発的な大ヒットを記録。日本レコード大賞特別賞を受賞するなど、音楽シーンの第一線へと鮮やかな返り咲きを果たしたのです。
この大ヒットの背景にあったのも、安定した家庭環境でした。喉のコンディション維持、精神的なプレッシャーの軽減、そして多忙なスケジュールを支える生活基盤。高野ゆみは徹底して表舞台に出ず、メディアからの取材も一切断りながら、夫が歌だけに集中できる環境を作り上げました。
2016年に徳永が再び脳梗塞予防の手術を受けた際も、彼女の手厚いサポートは揺らぎませんでした。病魔との戦いは一朝一夕のものではなく、何年、何十年と続く息の長い戦いです。その長丁場を伴走し続ける強靭なメンタリティは、並大抵のものではありません。