新宿ホワイトハウスを訪れた者が息を呑むのは、最新の展示作品だけではありません。建物のあちこちに刻まれた歴史の痕跡です。
特筆すべきは、1960年代のネオ・ダダ時代に制作された壁画や落書きの一部が、奇跡的に現存している点です。赤瀬川原平や篠原有司男らが残した荒々しい筆致、マテリアルが直接壁に打ち付けられた痕跡。これらは美術館のケースの中に収められた「資料」ではなく、生きている空間の一部としてそこに留まっています。
「ホワイトハウスは単なる古い建物ではない。半世紀前に若者たちが社会に向けて放った怒りと情熱の粒子が、木材の木目一つひとつに染み込んでいる巨大な立体遺物なのだ。」
空間そのものが一つの作品であり、歴史と現代が交差する現場。その空気を肌で感じる体験は、他では味わえない圧倒的なリアリティをもたらします。