海から上がって異変に気づいたら、即座に行動を起こす必要があります。
クラゲに刺された場合、まず海水で患部を洗い流します。真水は絶対に使用してはいけません。浸透圧の変化により残存している刺胞が一斉に発火し、症状が劇的に悪化するからです。次に、触手や刺胞が残っていれば、素手で触らずプラスチックカードやピンセットで丁寧に除去します。日本救急医学会が推奨する方法は、食酢を患部にたっぷりとかけることです。酢酸が刺胞の発火を抑制します。ただしカツオノエボシには酢が逆効果という研究もあり、種類の特定ができない場合は海水洗浄のみにとどめるべきです。
その後、40〜45℃の温水に患部を30〜90分間浸すことが効果的です。オーストラリア・クイーンズランド大学の研究チームは、熱がクラゲの毒素タンパク質を変性させ、痛みを60%以上軽減することを実証しました。
やってはいけない民間療法
砂をこすりつける。アルコールをかける。尿をかける。
これらは全て誤った対処法です。砂の摩擦は刺胞を刺激し、アルコールは細胞膜を破壊して毒素の拡散を促進します。尿に関しては医学的根拠が一切なく、むしろ細菌感染のリスクを高めます。東京慈恵会医科大学の皮膚科チームが実施した調査では、誤った民間療法を試みた患者の治癒期間が平均で2.3倍長くなることが報告されています。