大根は約95%が水分で構成されています。生の大根をそのまま煮ると、強固な細胞壁に阻まれて中心部まで熱と塩分が行き渡るのに30分〜40分以上の加熱が必要です。しかし、大根を冷凍すると内部の水分が氷の結晶へと変わり、体積が膨張することで硬い細胞壁を内側から破壊します。
細胞が壊れた状態の大根を熱い煮汁に入れると、氷が溶け出すと同時に周囲の煮汁が一気にスポンジのように繊維の中へ吸い込まれていきます。この物理現象のおかげで、通常ならじっくり弱火で煮込まなければならない煮物が、わずか10〜15分程度の加熱で中まで味が染み渡る仕上がりになります。
加熱時間が大幅に短縮されることで、ガス代や電気代の節約につながるだけでなく、大根に含まれる熱に弱い栄養素の流出を抑えやすくなる点も大きなメリットです。