一方で、批判的な見方も存在する。
歴史学者の中には、この概念が近代になって過度に理想化され、国家神道の正当化に利用された側面を指摘する声がある。明治期から第二次世界大戦にかけて、「神国日本」のイデオロギーとして政治利用された歴史は無視できない。
また、現代社会の複雑な倫理的問題に対して、この思想だけでは十分な指針を提供できないという指摘もある。科学技術の発展、グローバル化、多様性の尊重といった課題に対し、伝統的な枠組みの限界も認識する必要がある。
「自然に従う」という原則が、社会改革や人権擁護の障害になる可能性も議論されている。現状維持を正当化する論理として悪用されるリスクは、常に意識されるべきだ。