重傷を負い、一時は意識不明の重体となった冨田真由さんは、一命を取り留めたものの、顔や体に残る傷痕や視害、PTSD(心傷後ストレス障害)といった深刻な後遺症と向き合い続けてきた。裁判では犯人に懲役14年の判決が言い渡されたが、被害者が受けた心身の破壊に対する賠償や補償、そして奪われた未来の重さに比して、司法の判断が十分であったかについての議論は絶えない。
冨田さんは手記や代理人を通じて、警察の対応不備や被害者保護の不十分さを訴え続けてきた。裁判や行政に対する働きかけは、単に自己の権利主張にとどまらず、将来同じような被害に遭うかもしれない他者を守るための叫びでもあった。10年という歳月が流れてもなお、彼女の言葉は社会の倫理観を問い続けている。