貴乃花の圧倒的なパワーとスピードを支えていたのは、徹底的に鍛え上げられた驚異的な肉体です。当時の大相撲界では、体重を増やすために脂肪を蓄える「あんこ型」が主流でしたが、貴乃花は無駄な脂肪を極限まで削ぎ落とし、分厚い筋肉の鎧を身にまとっていました。
体重約150kg〜160kg前後でありながら、一説には体脂肪率が10%台前半だったとも言われるその引き締まった肉体美は、力士という枠を超えてアスリートとしての究極系と称されました。四股やすり足といった伝統的な基礎稽古を誰よりも過酷にこなすだけでなく、体幹を徹底して鍛え上げることで、重心がまったくブレない強靭な腰の重さを手に入れたのです。
このストイックな肉体作りによって培われた柔軟性と筋力があったからこそ、超重量級力士の突進を正面から受け止めてもビクともしない、驚異の受けの強さが成立していました。