ロビンが放ったセリフは、単なる「死にたくない」という自己保身ではありません。生まれた瞬間から存在を否定され続けた女性が、生まれて初めて口にした「生存の許可」でした。原作の息遣いを正確に辿るため、名シーンにおけるセリフの全貌を振り返ります。
ルフィに命じられたそげキング(ウソップ)が「火の鳥星(ファイアバード・スター)」で世界政府の旗を撃ち抜き、麦わらの一味全員が世界170カ国以上の連合国家を敵に回す覚悟を証明した直後、ロビンの感情は完全に決壊します。
【ロビンの叫び・セリフ全文】
「生ぎたいっ!!!! ……!!!
望んではいけないことだと思ってた…
誰もそれを許してくれなかった…
もし本当に少しだけ望みを言っていいのなら…
私は生きたい…!!!!
………!!! 私も一緒に 海へ連れてって!!!」
このセリフの背景には、彼女が8歳の時に経験した「オハラの悲劇」が存在します。考古学の聖地オハラで育ったロビンは、世界の空白の100年を研究していた母ニコ・オルビアやクローバー博士をはじめとする学者たちを、世界政府の無差別破壊指令「バスターコール」によって目の前で皆殺しにされました。
巨人族の海軍中将ハグワール・D・サウロが命を賭して逃がしてくれたものの、世界政府は8歳の少女に7,900万ベリーという異例の初額懸賞金をかけ、「悪魔の子」「世界を滅ぼす悪魔」のレッテルを貼って世界中へ指名手配したのです。以来20年間、ロビンは裏切りと暗殺が横行する裏社会を転々とし、「自分が生きていること自体が誰かを不幸にする」という深刻なトラウマ(学習性無力感)に苛まれ続けていました。