漢字表記「無無田」を目にした際、多くの人が最初に直面するのが読み方の壁です。日本語の音読み・訓読みの規則性、さらには日本各地の古語方言を照らし合わせると、「無無田」の読み方としては主に以下のパターンが指摘されています。
- むむた / むむだ:「無(む)」を重ねた畳語(じょうご)読み。もっとも自然な音読みの連続であり、全国の地名表記の慣例に合致します。
- ぶぶた:「無」の呉音・慣用音の変化形。西日本の一部地域で見られる濁音化現象に由来します。
- ないないだ / なした:訓読みの「無(な)い」に引きずられた俗読、あるいは古語の用例に基づく読み。
漢字の成り立ちを紐解くと、「無」は古代の舞踏者が袖を振る姿にかたどった象形文字であり、後に「存在しない」「何もない」という意味を表すようになりました。この「無」が二つ重なることで強調を意味し、そこに農耕や土地を意味する「田」が結びついています。つまり、「作物が実らないほどの痩せた土地(無田)」や、逆に仏教的な無我の境地にあやかった屋号・土地名に由来すると考えるのが言語学的に極めて自然な解釈です。