私たちは毎日、SNSや動画プラットフォームを通じて数え切れないほどの急速に流れる映像を消費しています。画面をスワイプすれば、一秒ごとに新しい情報が目に入り、通り過ぎていきます。
そのような時代において、小瀬村真美が提示する「一見すると動かない映像」は、鑑賞者に強烈な静寂と集中を要求します。
足を止め、目を凝らし、数分間じっと画面と対峙しなければ、その作品の本当の姿は見えてきません。効率やスピードが最優先される現代社会において、彼女の作品に向き合う時間は、失われた「時間感覚」を取り戻すための濃密な瞑想のような体験となるのです。