ポールダンスと聞いて多くの人が思い浮かべる像は、かつては限定的だった。薄暗いクラブ、大人の夜の娯楽、あるいは密室のショーケース。めりこはその固定観念を、肉体一つで砕き割った。
彼女が選んだ舞台は、誰でも通りかかるオープンなストリートだ。幼少期からのダンス経験やアクロバットの鍛錬を基礎に持つ彼女は、ポールの持つ垂直の空間表現力に着目した。水平方向に広がる大道芸の世界に、圧倒的な高度と立体感をもたらしたのだ。
ナイトクラブから太陽の下へ:既成概念への挑戦
見知らぬ人々が行き交う路上でポールを立てる行為には、当初激しい偏見も伴った。「路上でポールダンスなど露出度の高い見せ物ではないか」という冷ややかな視線。しかし、めりこが求めたのは性的な魅力の露出ではなく、極限まで高められた肉体美とストーリーテリングだった。彼女は衣装や音楽、演技の構成を工夫し、家族連れや子供たちまでもが息をのんで見入るような「舞台芸術」へと洗練させていった。