リフレッシュや健康維持のために良かれと思って行っている日常の行動が、気管支に過度な負担を強いている場面は多々あります。その代表例が入浴、運動、そしてアルコールの摂取です。
まず注意が必要なのは「発作が起きている最中の入浴」です。息苦しさを感じているときに熱い風呂に入ると、心拍数の増加と酸素消費量の急増を招き、呼吸不全を一気に悪化させます。また、平時の入浴であっても、湯気が充満する温かい浴室から冷え切った脱衣所へ移動する際の急激な温度差が気道を刺激し、激しい咳き込みを誘発します。浴室暖房の活用や脱衣所をあらかじめ暖める工夫が欠かせません。
また、事前の準備を怠った激しい無酸素運動や急激なランニングも危険を伴います。「運動誘発気管支攣縮(EIB)」と呼ばれる現象により、激しい口呼吸で冷たく乾燥した空気が直接気道へ流れ込むと、気道粘膜の水分が奪われて炎症物質が放出され、気管支が急速に狭まります。ウォーミングアップを入念に行い、必要に応じて運動前の予防的吸入を行うなど、主治医と相談した上でのコントロールが必要です。
さらに見過ごせないのがアルコールの影響です。体内でお酒が分解される過程で生じる「アセトアルデヒド」には、ヒスタミンを放出して気管支を収縮させる作用があります。特に少量の飲酒で顔が赤くなる体質の人はアルコール誘発喘息を起こしやすく、外食先で急な呼吸困難に陥るリスクが高いため、自らの許容量を正しく把握し過度な飲酒を控える必要があります。