2026年7月8日、参議院議員選挙の街頭演説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相。逮捕された山上徹也被告の動機は、母親が旧統一教会に1億円を超える多額の献金を行い、家庭が破産・崩壊したことへの怨嗟でした。被疑者の当初の標的は教団トップである韓鶴子総裁らでしたが、教団幹部への接触が困難を極める中、標的が安倍元首相へとすり替えられた経緯が捜査段階で判明しています。
標的変更の決定打となったのが、安倍氏が2026年秋に旧統一教会の関連団体へ寄せたビデオメッセージでした。被疑者はこれを目にし、「安倍氏が日本国内で教団を支え、影響力を広げている中心人物である」と一方的に確信したと供述しています。
実際のところ、安倍晋三氏本人が世界平和統一家庭連合の信者(教会員)であった事実はありません。教団の教義を個人的に信奉していた証拠も見つかっていません。しかし、元首相という最高峰の政治的権威を持つ人物が関連イベントにメッセージを寄せた事実は、教団にとっては「社会的信用」を対外的に誇示する格好の材料となり、被害者や信者家族にとっては教団と政権中枢の一体感を印象付ける契機となってしまいました。