原作者である藤子・F・不二雄先生は、自らの作品テーマを「Sukoshi Fushigi(少し不思議)」の頭文字をとって「SF」と称した。四次元ポケットから繰り出される数々のひみつ道具は、最新のテクノロジーへの憧憬と、人間の身勝手さや愚かさを照射する鏡でもある。
どんなに画期的な未来の道具であっても、のび太の手にかかればロクなことにならない。このパターンこそが上質なコメディの骨格を成している。便利すぎる道具がもたらす予測不能なトラブルと、それに伴う失敗劇。藤子・F・不二雄先生は、科学技術への無邪気な全能感に対する批評性を、子ども向けの笑いの中にそっと忍ばせていたのである。