英語の基礎でありながら多くの学習者を悩ませるのが、「made」の後ろに続く前置詞の使い分けです。前置詞ひとつで、伝えたいニュアンスが根底から変わってしまうことも珍しくありません。
ケンブリッジ英語辞典の定義やオックスフォード大学出版局が刊行する文法書によると、これらの表現は「対象がどのような変化を経て完成したか」によって明確に区別されます。
まず「made with」は、料理の隠し味や複数の構成要素、さらには「ツールや感情」を用いて何かを作り上げた際に使われます。例えば「This dish is made with fresh herbs(この料理は新鮮なハーブを使って作られている)」のように、素材の原形が残りつつも他と調和している状態、あるいは制作の「手段」を示します。
対照的に「made of」は物理的変化を表します。木から作られた机(made of wood)のように、素材の性質や形が目に見えて残っている場合です。一方で「made from」は化学的変化を伴います。ブドウからワインが作られる過程(made from grapes)のように、元の素材が別の形へと姿を変えた場合に使われます。
日本の語学学習・英文法の現場では長年「of=物理変化」「from=化学変化」と暗記させる指導が主流でした。しかし「made with」が持つ「道具・ツール・共同制作」という現代的な拡張的意味合いを捉え切れていないケースが少なくありません。この違いを理解することが、自然な英語表現への第一歩となります。