『こんなこいるかな』がNHK『おかあさんといっしょ』の番組内コーナーとして放送開始されたのは1986年4月のことでした。以後、1991年4月までの丸5年間にわたり放映され、当時の幼児やその保護者の心を一気に掴みました。
作者である絵本作家・有賀一広氏が生み出したこの作品の根底にあるのは、「イヤイヤ期」や「忘れ物」「怖がり」といった子どもの発達過程で見られる行動や性格を、決して悪者として叱りつけるのではなく、愛すべき個性として包み込む温かい眼差しです。従来の教育的アニメにありがちだった「良い子になりましょう」という道徳的な押し付けを排し、誰もが持っている一面をキャラクター化する手法は、当時としては画期的なアプローチでした。
5年間の放送期間を経てコーナーがリニューアルされた理由については、NHKの番組改編サイクルに伴う定期的な刷新の一環でしたが、放送終了後も絵本やキャラクター商品の需要は衰えることがありませんでした。幼稚園や保育園、全国の図書館には必ずと言っていいほど絵本が常備され、世代を超えたロングセラーとして定着していったのです。