特任助教の待遇は、所属する大学や獲得した予算の規模によって驚くほどばらつきがある。年俸制が適用されることが多いが、ボーナスや退職金が出ないケースがほとんどだ。同世代の民間企業勤務者と比べても、その手取り額の低さに愕然とする者は少なくない。
さらに深刻なのは、研究費の使途に対する裁量権のなさだ。自らが主体となって研究を進めることは許されず、ボスである教授の指示に従うだけの「手足」として機能することを求められる。こうした環境下でモチベーションを失い、最低限の仕事だけをこなす「静かな退職」を選択する若手も増えている。