ネット上や法曹界で最も議論が白熱している核心が、「八木原亜麻の量刑は一体何年になるのか」という点です。刑法第240条が規定する強盗致死罪の法定刑は「死刑または無期懲役」のみという、刑法全体を通じても最上級の厳罰が科されています。ただし、酌量減軽(刑法66条・68条)が適用された場合には、有期懲役の上限である懲役30年から下限6年までの範囲で刑期が決定されます。
過去の強盗致死罪における裁判員裁判の量刑傾向を精査すると、被害者1名の場合における有期懲役刑の相場は、おおむね懲役15年から25年のグラデーションに集中しています。本件において検察側がどの程度の罪責を八木原被告に帰属させるかによって、求刑および判決のラインは以下のように分かれます。
第一に、検察側が「八木原被告は被害者を呼び出し、暴行および金品強奪に至る一連の共謀に深く関与していた」と全面的に立証できた場合、検察側の求刑は無期懲役または懲役25年〜28年程度に達する公算が高いとみられます。その場合、裁判所の下す判決は懲役20年〜25年程度の実刑が一つの目安となります。
第二に、弁護側が「金品を奪う意図(不法領得の意思)の共謀は暴行現場で突発的に生じたものであり、八木原被告自身は強盗の意思を有していなかった」として強盗致死罪の成立を争い、傷害致死罪および窃盗・恐喝罪の限度にとどまると主張した場合です。仮に裁判員が強盗致死の共謀を否定した場合、量刑は懲役12年〜16年前後まで下がる可能性もゼロではありません。しかし、現場で被害者が執拗な暴行を受け、金品が奪われる状況を制止することなく容認していた共犯関係の推認力は極めて強く、裁判員裁判の厳罰化傾向を考慮すれば、懲役20年前後を下回る可能性は極めて低いというのが専門家の一致した見解です。