アナスタシア陣営の屋台骨を支えるのが、「最優の騎士」と称されるユリウス・ユークリウスだ。洗練された剣技と確固たる忠誠心を持つユリウスと、損得勘定に長けたアナスタシアのコンビは、一見すると利害の一致によるビジネスライクな関係に見えるかもしれない。だがその内実は、王選候補者の中でも屈指の厚い信頼で結ばれている。
物語が暗転するのは、「暴食」の大罪司教によってユリウスの「名前」が世界から喰われた瞬間だ。スバル以外のすべての人間からユリウスの記憶が消失し、主であるアナスタシア自身も彼の名前や共に歩んだ日々を忘れ去ってしまう。
それでもなお、彼女は目の前に残された見知らぬ青年を切り捨てなかった。記憶を失っても失われない魂の結びつき。過酷な運命に翻弄されながらも、互いを信じ抜こうとする主従の姿は、多くのファンの胸を打つハイライトとなっている。