化学における分類の基準は、驚くほどシンプルだ。中心にあるのは「炭素(C)」という元素である。
有機物とは、炭素を骨格として作られた化合物のことだ。人間をはじめとする生物の体をつくる筋肉、皮膚、DNAなどはすべて有機物でできている。私たちが食べる米や肉、着ている服のコットン、プラスチックや薬も同様だ。炭素は他の元素と非常に結びつきやすく、複雑で多様な分子構造を作ることができるため、生命の基礎となった。
一方の無機物は、炭素以外の元素で構成された物質、あるいは極めて単純な炭素化合物の総称だ。水(H2O)や空気中の酸素、ガラス、金属、そして鉱物などがこれに該当する。地球の地殻を構成する大部分は無機物であり、生命が誕生するはるか前から宇宙に存在していた物質群である。