2019年1月に放送された『HUGっと!プリキュア』最終回。そこで描かれたのは、大人の女性へと成長した主人公・野乃はなが病院のベッドで激しい陣痛に耐え、周囲の励ましを受けながら出産する姿でした。少女向けアニメの最終回といえば、悪を倒して平和になった世界で仲間たちと笑顔で未来へ歩き出す、というのが王道です。しかし、本作はその王道を根底から覆しました。
制作陣が目指したのは、ファンタジーのベールを剥ぎ取った「生と死」のリアルです。分娩室の外で祈るかつての仲間たち、赤ん坊の産声、そして生まれたばかりの我が子を抱くはなの涙。それは、美化されたファンタジーとしての母性ではなく、泥臭く、しかし何よりも尊い「現実の出産」そのものでした。